最近テンプレートデザインがさまざまなサービスで多くなっています。
画面上で自由にテンプレートを使えることなどを売りにしているサービスがありますね。
「無料で使えるテンプレート」などをよく見かけます。

たとえば印刷会社のチラシ・パンフレット・名刺などのテンプレートなどが有名なものではないかなと思います。

そういったものをうまく使いこなしたことがありますでしょうか?

WEB画面上で簡単に編集ができて、アプリケーションも不要で、デザインを自由に選べて、無料でこんなことができてすごくよさそう…!に見えますよね。

ですが、おそらくほとんどの場合うまくいきません。

どんなデザインも、まず内容ありき

デザインを作る際、まずは掲載したいものがある状態から始めることがマストです。
(もちろん広告プロモーションで内容が決まっていないままビジュアルを作ることもありますが、少し内容と外れるので割愛します)
あなたの会社の魅力や情報をアピールしたいのに、なぜテンプレートに合わせてつくらなければならないのでしょう?
載せたい情報は5つあるのにテンプレートには3つしかない。
電話番号しか載せたくないのにテンプレートにはファックスもメールも携帯電話も掲載場所がある
こんなに大きなイメージ画像を載せずに情報に回したいのに・・・等々

基本的にはデザイナーは文字を見て「これは大きくキャッチコピーとして」「これは小見出しでカテゴリにして」というように情報を整理する術をたくさん持っています。

「雑多な文字をいかに読みやすくするか」を技術として持っているから見やすくなるわけで、すでにあるデザインに合わせて文字を作るというのはそもそも本末転倒なのです。

文字を調整するという感覚

文字の大きさを気にしたことはあるでしょうか?
たとえばデザイナーは「○pt以下は見づらくなる」「○pt以上は大きすぎておかしい」等、一般の人が持っている感覚を数値化したセオリーがあります。
この数値を大きく外すとデザイン物としておかしくなります。
普段デザインをしていないとこの知識はつくものではないので、画面上のテンプレートをさわるときに気を付けることは難しいでしょう。
3つのカテゴリのうち、1つ目は300字、2つ目も300字、3つ目が文字が1000字になってしまったから、とにかく入るように3つ目だけ文字を小さくして…等をやってしまうと読みづらくバランスもイマイチになってしまいます。

写真の選び方

写真として綺麗な良いものと、デザインに使いやすく綺麗に見える写真は違います。
意外とデザインにハマる写真を選ぶのはプロでも難儀します。
「ここさえなければうまく文字がはまるのに…」とか「もう少し引きの写真であれば…」などと思うことはプロでも多々あります。
そういう場合、デザイナーはフォトショップというソフトを使ってデザインに使いやすいように写真を加工したり、もっと良い写真を選んだりなど工夫をしますが、それがこれからテンプレートをはじめて使用するという人のうち、どれくらいの人ができるでしょうか?
何度も入れ替えハマる写真になるまでやり直しますか?
デザイナーは普通に写真の入れ替えは10回も20回も行い、ベストを探しますが、テンプレートで簡単に〜と考えている人が10回も20回も写真を探せるでしょうか?


以上のように、「もうデザインがあるんだからテンプレート利用したら簡単じゃん!」と思ってもできない理由がたくさんあります。
意外とデザインには多く決まりがあり、知識を必要とするものなので、いきなりやろうとしても難しいのです。
なんだかテンプレートを利用したのにイマイチになってしまった…という場合は、上記のどれかがうまくいってない場合が多いです。

弊社もホームページのテンプレートをしていますが、こちらに関しては、デザインは決まっていますがバランス調整は全てデザイナーが行います。
また、文字バランスが悪い場合はお客様に都度共有させていただき、できる限り情報とデザインのどちらも捨てないように工夫をいたします。

そういったように、テンプレートというのは簡単なように見えて実は新規でデザインを作るより難しくなってしまうこともあります。

これからなにかを作ろうという方は、テンプレートにするにしてもしないにしても、上記注意点を見て、自分でするのかデザイナーに任せるか決めていただければと思います。