企業がSNSアカウントを開設しているのも当たり前の時代になってきました。
SNSは、無料でアカウントを簡単に取得でき、ユーザーと近い距離からマーケティングができるので、企業の格好のPRの場所だといえるでしょう。
しかし一方で、更新が途中でぷっつりなくなってしまった企業や、作ったまま更新しない企業など、うまくSNSを使うことのできていないものもよく見かけます。

というのも企業名を検索すれば、わりと上位にSNSアカウントが出てきてしまうので、更新をしていなくても作成していることがわかってしまうのです。

せっかくSNSを作るのですから、そういうようなことにはならないようにしたいものですが、失敗はどこにあるのでしょうか?
ちょっと紐解いてみましょう。

定期更新が決められていない

これは、大手企業であれば○日に更新する、などスケジュールが組み込まれていることが多いのですが、中小企業などわりと個人の采配に任せている場合が多く、スケジュールなどがありません。
気が向いたら…何か掲載するようなことがあったら…と思っているうちに担当者がSNSの存在を忘れてしまうなんていうことがあるあるではないでしょうか?

担当者選びが適切ではない

企業SNSはマーケティングの一環として運用すべきですが、わりと運用を思いつきで考えている企業様が多くみられます。特に小さな企業であればあるほど気軽に始めるのでその傾向があります。
さぁ始めよう、というその際に「彼は個人SNSをやっているから」「彼女はパソコンに詳しいから」等、トンデモな理由で担当者が決まる、なんてことも・・・。
きちんと運用している企業様からするとなんとも信じられないと思う理由かもしれませんが、じつは中小企業ではあるあるの選び方だったりします。
担当者の重要性については軽視されがちですが、うまく運用したいのであればあまりいい選択とはいえないでしょう。

投稿することがない

え!?SNSなのに?と思うかもしれません。
ですが意外と多いこの理由。
企業SNSは基本的に企業についてプラスになることを投稿するのがセオリーです。
例えば新製品が出た、などの紹介などは絶好の更新機会だと思います。
ただ、中小企業で物販を行っていない企業の場合、さてなにを更新しよう?となるわけです。
新設備を導入しました!も良いと思いますし、入社式をしました!も良いと思います。
しかし、SNSは毎日…とまではいかなくとも、1週間に数回は更新することが望ましいでしょう。
その際に、毎週新設備もなく、毎週入社式もありません。さてなにを投稿しよう?となるのです。
個人的な投稿の場合、その人のブランディング力次第では成功する可能性もあるのですが、大抵の場合は失敗に終わります。

以上の理由が失敗する理由になります。
いきなり抜擢された一社員が、投稿することもなく、定期更新をするというルールもない中、更新を続けることができるかどうか、一度考えてみてください。もしこれが無理だと理解できないなら、SNSをやりたいと言わない方が無難です。

ではどう運用していくことが良いのでしょうか?
SNSの運用に正解はありませんが、上記のようにならないためには、下記を一度考えてみてください。

SNSの目的を明確にする


仕事をなぜしているのか?
それはお客様の満足度を高め、利益を生み出し、お客様と社員に還元するためです。
では、SNSについてはなぜ運用しようとしているのでしょうか?
「他社がやっているから・・・」は目的ではありません。
基本的に目的は企業の認知を上げるためです。
では、そのためにはどういうことが必要なのかを考える必要があります。
どういった層への認知を上げたいのか、認知を上げるためにどういうブランディングをしていくのか。
そのためには投稿内容もきちんとコントロールする必要があるでしょう。コンプライアンスのチェックも必要です。まず目的がないとそれに向かう道筋は決められらません。

予算についてを考える


SNS運用をマーケティングとして捉え、そのためにリソースを割くことができるのかできないのか。
それらができるかどうかの答えによっては、そもそもSNS運用を検討し直す必要があります。予算をかけることができるのであれば、外注も視野に入れることができます。
私の個人的な意見としては、予算をかけられないのであれば、SNSを始めない方が良いと思っています。
人員を割けばその人が本来社内業務をすることができたはずの時間(金額)が、運用会議をすればそこに集まる人たちの時間(金額)がかかってきます。社員の時間は無料ではありません。

仕事として考えられるかどうか


社員が、自分が依頼した仕事よりもSNS投稿という仕事を優先して行っていてイラっとしないかどうかも非常に重要です。
全社員がその直接利益を産まないその業務を仕事として認識できるかどうかが運用を成功できる鍵となります。
プライベートと仕事との境が非常に曖昧なその業務を軽視していては運用はうまくいきません。
担当者はもちろんのこと、周りの社員の協力は必要不可欠です。また、大手企業のようにフォロワーが集まらない、バズらない、利益になっていないことに対して、圧力をかけることのないよう、しかしうまくいっていない場合は都度投稿の内容、運用の方向性の見直しを考えることが必要でしょう。

結論としては、目的がしっかりしており予算をかけることができる企業様は積極的にSNS運用をすべきと思います。予算が組めるのであれば運用会社に任せるのも方法の一つです。
ですが、そうで無い場合はそもそも始めない方が良いでしょう。
例外として、もし目的や予算が無いけど始めたいという場合は、それを言い出した人がやるというのはアリです。
それが社長なら社長が。新人社員なら新人社員が。
個人の「やりたい」という熱量はなににも勝るPR力を発揮することがあります。
以上のことを念頭におきながらぜひSNS運用を検討してみてください。